あれは確か、休日の昼下がりのことでした。桂川町でトイレ排水管つまりに排水口を交換すればキッチンでまとめて洗い物をしていたら、シンクの排水口から「ゴポゴポ…」という、いやな音が聞こえ始めたんです。最初は気のせいかなと思ったのですが、水の流れがどんどん遅くなり、ついにはシンクに溜まった水が、排水口から逆流してきそうになりました。まさか、自分の家でこんなことが起こるなんて、想像もしていなかったので、本当に頭が真っ白になりました。あの時の焦りと不快感は、今でも鮮明に覚えています。 シンクの水が溢れそうになっているのを見て、慌てて蛇口を閉めました。それ以上の水を流さないようにすることだけは、とっさに分かりました。でも、一度逆流しそうになった水は、なかなか下に流れていきません。むしろ、少しずつ水位が上がってくるように見えて、パニック状態でした。とりあえず、近くにあったタオルをかき集めて、シンクの下の床に敷き詰めました。水が溢れて床を水浸しにしたら大変だ、ということだけは考えられたからです。 インターネットで調べると、「ラバーカップを使う」という方法が出てきたので、急いで引っ張り出してきました。説明通りに排水口に密着させて、何回か力を入れて押し引きしてみましたが、状況は全く改善しません。むしろ、変な泡が出てきたりして、かえって怖くなってしまいました。市販のパイプクリーナーも家にありましたが、こういう緊急時に使っていいものなのか分からず、ためらってしまいました。自分でどうにかできるレベルではない、と痛感しました。 これはもうプロに頼むしかない、と観念し、急いで近くの水道修理業者に電話しました。状況を説明すると、すぐに来てくれるとのこと。到着した作業員の方は、まず排水口周りの状況を詳しく確認し、次に何か特別な棒のようなものを排水口に入れて、慎重に動かしていました。話を聞くと、排水管の内部で油汚れなどが固まって、ひどい詰まりを起こしている可能性が高いとのこと。私の家のキッチンは、排水管が複雑な曲がり方をしているらしく、一般的な道具では詰まりが解消されにくい構造だったそうです。 結局、業務用の高圧洗浄機を使って、排水管の内部を徹底的に清掃してもらうことになりました。シューッというすごい音とともに、何かが剥がれていくような感触があり、しばらくすると、それまで溜まっていた水が勢いよく流れ始めたんです。あの詰まりが解消された瞬間の音は、今でも忘れられません。作業員の方に、詰まりの原因となった汚れや、日頃の予防策について丁寧に教えていただき、これからは気をつけようと心に誓いました。 あの日の排水逆流体験は、本当に怖い出来事でしたが、同時に大切なことを学ぶ機会でもありました。排水口は、毎日使う場所だからこそ、日頃から小さな異変に気づくこと、そして、もしもの時には無理な自己判断をせず、迷わずプロに相談することの重要性を痛感しました。あの時、自分で何とかしようと無茶をしていたら、もっとひどいことになっていたかもしれません。今では、キッチンを使う度に、排水口の音や水の流れを意識するようになりました。日々の少しの気遣いが、大きなトラブルを防ぐことに繋がるのだと、身をもって知った経験です。
あの時の排水口逆流の恐怖体験